古びたトタン屋根

トタン屋根を長く維持していく方法


 トタン屋根とは亜鉛メッキの鋼板で葺かれた屋根のことで、その耐用年数は八から十年とされています。 また、耐用年数はメッキの亜鉛付着量に比例しており、潮風が当たる沿岸部などでは劣化が早まる傾向にあります。 トタン屋根は簡単に説明すると三層(鋼板、亜鉛メッキ、塗膜)からなっています。 トタン屋根を長く維持していくには、基盤となっている鋼板を錆びさせないようにメンテナンスする事が重要となります。 メンテナンスを行うに当たり、トタン屋根の劣化の兆候を説明します。

住宅の一般的なトタン屋根

1:塗膜が変色する、粉をふく。膨れる、剥がれる。

太陽光に晒される屋根材は紫外線の影響を受けやすく、トタン屋根に塗られた塗料が変色したり、白い粉を吹く(チョーキング)などの劣化が見られます。 下地の調整不足やアクリル塗料の熱収縮により塗膜が膨れたり剥がれたりすることもあります。特に、他の屋根材と違ってトタン屋根は金属製であり、太陽熱で温められやすいため塗料の熱収縮は問題になりやすいです。 この場合、トタン板に直接風雨や紫外線が当たるため劣化が急速に進みますので、注意しましょう。 塗料は錆の防止剤も兼ねているため、塗膜の劣化はトタン屋根の寿命を早めます。 塗り替えで対応できるので、業者に相談してみましょう。


2:カビやコケの発生。

金属板であるトタン屋根には本来カビやコケが繁殖する余地がありません。栄養がないわけですから当然ですね。 しかし、風雨で舞い上げられた砂や埃がトタン屋根の表面に積り、それを栄養としてカビやコケが発生してしまうと塗料を劣化させる原因となります。コケには自らを支えるための仮根があり、この仮根が塗膜に食い込んで剥がしていきます。 また、カビやコケが発生するということは、屋根が水分を保持してしまっている証拠です。水分は塗膜やトタン板の腐食原因となるため、早期にカビやコケの除去を行った方がよいでしょう。 景観も悪くなりますからね。 しかしながら、コケやカビが発生したトタン屋根は滑りやすく、滑落事故の原因となります。自分で除去しようとするのはお勧めできません。 例え一階部分であっても業者に依頼する方が安全でしょう。


3:錆の発生

亜鉛メッキが剥がれることで鋼板が直接錆始めています。 数年で急速に広がり雨漏りの原因になります。軽度であれば塗り替えで対応できるものの、腐食が進むと葺き替えなどで費用がかさみます。 ちなみに、亜鉛メッキが錆びると白錆、鋼板の錆は赤錆です。


この三点の兆候に気を付けてメンテナンスを行うと、トタン屋根を長く維持できます。 トタン屋根の塗り替えはプロの業者に任せるのが安全ですが、塗り替え費用などは気になるところです。 トタン屋根の塗り替えには金属製だからこその工程、ケレンが存在しており、他の屋根の塗り替え費用にこの工程の価格を加算して見積もります。 ケレンは錆取りなどを行いつつ金属表面にわずかな傷をつけて塗料を塗りやすくする目的で行われます。 使用する工具などでも同じ業者で価格が変わるケレンですが、おおよそ二千円ほどで依頼できます。
トタン屋根の塗装手順は、

1:ケレン。錆や浮いた塗料をはがす。
2:高圧洗浄で剥がした錆や塗料を洗い流す。
3:不具合個所を補修して塗装前の下地作りを行う。
4:下塗り。錆止めを塗る。
5:塗装を行う。重ねて塗ることで耐腐食性を高める。
で行われます。



不幸にもメンテナンスが間に合わずに雨漏りした場合。 雨漏りの原因は腐食が鋼板に達して穴が開くことで起きます。先述した劣化の兆候の3ですね。 穴をふさぐ方法としてコーキング剤での充填補修があります。他に防水テープを張って目張りしたり、防水シートで覆うなどでも対応ができます。 しかし、いずれの場合でも応急処置の域を出ません。一度腐食した鋼板はさらに腐食が進んでいき、穴が大きくなりますから早く業者に相談しましょう。 業者が提示する雨漏りへの対応として、葺き替えと重ね葺きがあります。 葺き替えはトタン屋根を張り替える作業で塗装と比べて費用が高く、元のトタン屋根の撤去費用も掛かります。 それに比べて、重ね葺きはその名前通り、トタン屋根を二重にしてしまう工法です。塗装に比べると費用が高くなるものの、葺き替えに比べて費用が安くなります。 塗り替え、重ね葺き、葺き替え、それぞれの価格は業者や塗料の種類によって変動します。 相場は塗り替えの場合50~80㎡で40万から60万円、重ね葺きはこの1・5倍から2倍、葺き替えはさらに1・5倍から2倍が相場です。 塗料は2液でシリコン樹脂系塗料以上のグレードがおすすめです。水性塗料の場合は積雪で剥がれる場合があるため溶剤系が望ましいです。 また、トタン屋根は金属製であるため太陽で熱せられると温度が上がりやすく、塗料の劣化が早くなり室内温度が上昇する傾向がありますから、遮熱系塗料もおすすめです。

以上、トタン屋根を長く維持していくメンテナンス方法でした。